《カーマニア》Lucasオルタネータは修理が簡単!分解修理の作業レポート!

オルタネーターを修理してみるカーマニア
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旧車増税にも負けず、古きよきものを愛し、物を大切にする心を次の世代に繋ぎたい。

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旧車ファンの皆さんこんにちわ!AnswerStock晴れのち快晴!サニー@です!

現代の車は電化製品ごとく無数のセンサーと電子デバイスに囲まれています。エンジンは言ってみれば発電機の役割が大きくなっています。しかし旧車になればなるほど電気を使うところが少なく発電機となるオルタネーターの役目はそれほどじゃありません。それなのに現代車に比べると長持ちしません。そこで、今回はローバーMINI(~1996年まで)やケーターハム(KENTブロック車両)など多くの車で見かける汎用性の高いLucasオルタネータA127の故障品の修理をしながらオルタネーターの仕組みなどについてもお話したいと思います。また、国産オルタネーターへのスワップ(流用)記事も書いていますので、そちらも続けてご覧ください。

オルタネータが壊れるとどうなるのか

大昔はダイナモなんて言いましたが、オルタネータとの違いはざっくりと言うと交流か直流の違いです。実はオルタネータも発電自体は三相交流ですが、レクチファイア(ダイオード)によって直流パルスに変換しています。

オルタネーターは交流で発電して直流に変換している。

基本的に壊れるのはこのダイオードか電磁コイルローターへの給電をするカーボンブラシ(レギュレータとセット)の減りによるもので消耗品です。発電には直接関係ありませんがベアリングも消耗品ですね。

オルタネーターの仕組みを図解

それぞれの役目はレギュレータはバッテリーとオルタネーター間の電圧差を監視してブラシを介してローターへの電力供給をコントロールしています。ローターが磁力を持つとステーターコイルが電気を発生させレクチファイアで直流に変換してB端子に出力します。シンプルで良く考えられていると感心します。

どちらにしても、壊れると発電しなくなりL端子を経由してバッテリー充電警告インジケーターが赤く点灯します。その後、バッテリーのみで走行となり電圧が下がって電磁ポンプが停止しプラグへの点火も出来なくなるためエンジンは止まります。

オルタネータは意外と簡単に修理できる

ここではLucasオルタネータを題材にしていますが、海外の旧車パーツは汎用品が多く特に英国ではLucas用の内部パーツ(レクチファイア・レギュレータ)は消耗品扱いであり普通に販売されていますが日本では見かけません。でもPayPalの登録さえすればeBayで購入可能です。

オルタネータレギュレーター

12v ALTERNATOR VOLTAGE REGULATOR LUCAS A127 STYLE Details
12v Up to 75amp
Mounting Hole Distance 50mm x 30mm

LUCAS UBB140A127タイプオルタネーター整流器
フォードトランジット2.5D2.5TDI 1994-2000
参考OEM番号、132718、RTF4954C、864F10304AA、864FAA、84456、84486、UBB140、132718Z、000084456010

ルーカスオルタネーター用オルタネーター整流器
およびレギュレーターのセット
A127131304&131277

実に数千円で買えるものですが私の場合3~4年でトラブルが発生するので、2つのオルタネータをオーバーホールしては入れ替えています。ちなみに国産オルタネーターでも基本構造は同じで品番さえ分かればディーラーのサービスフロントやトヨタだったら全国トヨタ共販で入手可能。しかし海外製品に比べてレギュレータで8,000円程するなど意外と高額部品ですが国産は長持ちするので相対的に同じ程度です。

オルタネータを外したりする際は、絶対にバッテリー+端子を外しましょう。オルタネータのB端子にはバッテリーが常時直結されているので基本的にヒューズがありません。バッテリー端子を外さずに作業すると大変危険です。

インズウェブ自動車保険

Lucasのレクチファイアとレギュレータを交換する

故障は突如訪れます。走行距離200キロ程の英国車のツーリングからの帰り、自宅から50キロで警告灯が点灯して電圧が低下しバッテリー電力のみで無事帰宅しました。

バッテリー充電警告灯が点灯するとどうなるか

3年前に使っていたオーバーホール済みのオルタネータに交換しましたが、故障したオルタネータを次の故障に備えてレクチファイアとレギュレータ交換のメンテナンスします。

今回のLucasオルタネータはレギュレータ内蔵タイプですが、外付けタイプもあります。ちなみに汚れの多い方はLucas製A127ですが綺麗な方はA127タイプの社外品です。今では純粋なLucasを探す方が難しいかも知れません。純正は45Aですが75A出力のものも1万円以下で流通しています。

オルタネーター12Vボルト75アンペアLUCASA127スタイルピント/レイランド左手
12 Volts 75 Amps Complete With Fan & Pulley (65mm Diameter Pully to take 10m V Belt) 16mm Diameter shaft With ‘W’ Terminal for Rev Counter 14.4V Set point voltage

レギュレータを外してからインチのネジを数本外せばスッポリ外れます。レクチファイアは8年ほど使用して錆びだらで電圧も不安定だったので交換します。

レクチファイアとステーターが3か所半田付けされているので溶かして離脱します。

ベアリング交換しなければここからは折り返しです。

新しいレクチファイアとレギュレータを装着していきます。

レクチファイアの三相交流の3端子を半田付けしてリア側の蓋をしめて、レギュレータを取り付ければ完了ですが。。。

レギュレータには通常カーボンブラシが2本付いています。このまま取り付けようとすると残念なことになります。カーボンブラシはとても柔らかくて脆いので、ちょっとしたことで折れてしまいますから取り付け方法を図解しておきます。

レギュレータにはカーボンブラシが2本出ていますが、スプリングによって出ていますので全て引っ込めて丸い穴(ストッパーホール)に細い針など刺して押さえた状態で取り付けていかないとブラシが破損します。定位置にきたら針を抜いてブラシを戻します。ブラシにストッパーホールがある場合はその穴に、無い場合(Lucas)は右側の図のとおり。これはどのオルタネータでも同じです。とても重要なので覚えておいてください。

オルタネータの発電状態を確認する

主要パーツ交換が無事に完成したら、実際にオルタネータを回転させて発電状態を確認します。実際に車両に組み込んで確認した方がいいですが、強力なインパクトレンチで出来ない事もありません。しかしお薦めはしません。

オルタネータはただ回しただけでは発電しませんので、本体にマイナスアース、B端子にバッテリーを接続し、S端子やIG端子がある場合にはバッテリー直ではなく、なるべくIGから12Vを接続します。励磁に使われている可能性があるので、L端子も警告ランプに接続しておきましょう。それによりレギュレータのブラシを通してローターに通電し励磁されようやく発電します。励磁すると急にローターが重くなりますのでオルタネータが起動している事が分かります。B端子とアースにテスターで確認し1,000回転あたりで14V以上出ていれば問題ないでしょう。ブラシの慣らしも必要なため最初のうちは電圧は低めに出る事がありますから焦らず少し様子をみましょう。

LucasオルタネータにはS端子もIG端子もありません。このタイプは1500回転付近まで回転が上がったことを確認すると発電起動する仕組みになっています。そのため、エンジンを掛けた後に一吹かししないと充電警告灯が消えないはずです。このあたりの作りも特殊と言っていいでしょう。現代車には無い旧車らしいひとつの儀式なので私は嫌いではありません。 Lucasレギュレータの仕組みを知らないと壊れていると勘違いするでしょう。

まとめ

オルタネータの修理なんて、こうやって見てしまえば、とても簡単ですよね。ただ現代車に比べると違う事も多いので、戸惑う事もあります。オルタネータ故障で交換工賃込みで10万円!なんてよく聞く話ですが、日本円で4千円程で直ってしまいました。

ただ安く修理することが目的なのではなくて、工場に出すことで無駄に乗れない時間を増やすことで、旧車は買っても乗れる機会がほとんど無いなんて話が正統論のように蔓延することを恐れています。

正しい自動車文化を日本に根付かせて、子供たちに若者に古いものと寄り添う楽しさを伝えたいと思います。

予報は晴れのち快晴です。サニー@でした。

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