カーマニアック編集部です。
中古品ってどんなものでも新品と比べたら汚れ、匂い、ゴミ、劣化、故障、破損、欠品、改ざん、偽物など、不安要素は沢山あります。
それも車となれば尚の事、とくに安全性については大丈夫なのか心配になりますよね。
まさに中古車の選び方は重要なポイントになります。これはベンツに限ったことでは有りません。
そんな不安のニーズに応えるのが、整備保証付きの中古車なんですが、編集部としては必要のない整備保証をあえて付けて内容をレポートすることにしましたので参考になれば幸いです。
整備保証は法定点検と同じ内容
整備と一言でいっても「ピンきり」です。普段のメンテナンスにもよりますが2年落ちと10年落ちで同じ整備というわけにもいきません。ユーザーにとって不安が尽きないのは相手任せだからです。
我々編集部では自前で車体をバラバラにするまで整備できますから、車の状態を隅々まで知ることが出来ますが、任せれば相手を信じるしか有りません。
「怖いですね~」
「恐ろしいですね~」👓
ちなみに今回購入した中古車ディーラーでは二年点検整備記録簿が使われていました。
法定点検は車検(自動車検査登録制度)とは別物
車検とは
上記のとおり公道を走行する最低限の基準をその時点でクリアしているか検査するもので長期的な安全性を検査するものではありません。法定費用の徴収、つまり(税金・印紙)と(自賠責保険料)が主な部分だと考えていいでしょう。車検は通しても安心して長距離を走行できない車も存在するわけですね。
法定点検とは
日常点検と同じく安全走行のための義務となります。日常点検との違いは分解整備となっているところですが、分解整備であっても個人でやってはいけないという意味では有りません。ただし整備して料金を徴収する場合は一部を除き整備士資格と自動車分解整備業の陸運局認可が必要です。
車検(自動車検査登録制度)
新車から3年または継続2年の国交省が定める保安基準適合の確認と税金の滞納、所有者確認などで費用は「重量税・自賠責保険・印紙税」にあたる
法定点検
1年または2年間の安定・安全な運行のための部品や消耗品の予防交換など分解整備が必要な項目の点検を整備士が陸運局の許可を受けて実施
CLAの保証付き整備内容を確認してみる
3000キロor3ヶ月保証付きが実際にどんな整備なのか安全性も確認して見ましょう。
料金は69800円でした。
ところが? 整備手帳に記載がない・・・w
購入した厚木の中古ベンツ専門店に控えを請求したところ「渡したはず」・・・
しかし「無いものは無い」・・・
仕方ないので控えをメールで送ってもらった。
確認すると・・・
- 締付け☑ 良好☑
- 交換部品:オイル&エレメント、メインバッテリー、ラジエターキャップ、ワイパーブレード
- 安全計測:タイヤ5mm(min)ブレーキパッド5.5mm(min)
なるほど問題無さそうですね。
主要各所をあらため点検してみた
タイヤ溝の点検
タイヤの溝については計測値と同じで問題なし、しかしローテーションしていたとはしても、タイヤごとに減り具合がマチマチなので4輪アライメントが気になるところ。
65000キロ走行していればサスペンションアームのラバーブッシュ劣化によるアライメントの狂いは出るので、次回タイヤ交換の際にアライメント調整も行いたい。とくに柔らかな乗り心地を優先した車両の場合はブッシュも柔らかい素材なのでアライメントは曖昧になりがち。
ブレーキパッド残量の点検
おっと、コレは?
ブレーキパッドの残量が5.5mmと記載でしたが実際には2mmでした!
真ん中に空いている穴は残量センサーが入るところですが完全に限界値です。先程の説明のとおり車検は良くても2年点検整備としては完全にアウトです。「3ヶ月3000キロ保証」だから「3ヶ月3000キロ持てばOK」という事なのでしょうか。安全をウリ文句にしているベンツ専門店として信用丸つぶれです。
まぁ、純正パッドはメタル配合でダストが激しいのでダストの少ないタイプに別途購入して交換することにしましょう。
ちなみにブレーキは保証対象ですが自社で点検しないと保証が効かなくなるとか?自分の車を自分で点検整備することが悪い事のように言われ気分が悪いので今後このディーラーと関わるのをやめます。
バッテリー(メインとサブ)CCA点検
メインバッテリー点検
メインバッテリーは交換されているようですが、社外品のAGM80なるものが装着されています。
最大800A出力となっています。
CCA計測器で測ってみますと796CCAと良好でした。ようやくホッとします。
サブバッテリー点検
サブバッテリーは助手席の足元のカーペットをズラせば出てきます。
純正バッテリーが搭載されてます。
過去の整備記録から2度も交換されているのでアイドリングストップを使うことで負荷がかかるようですね。計測してみると、こちらは211CCAです。
想定が200でしたので、今回は交換されていませんが数値は良好です。サブバッテリーはアイドリングストップ時のバックアップに使われるもので、不良になるとアイドリングストップがキャンセルされるだけですから大きな問題では有りません。
目視点検は亀裂やオイル漏れ
エンジンルームは8年経過しているとは思えない綺麗な状態、オイル漏れなど皆無、ベルト類も状態は良い。
フロアジャッキで持ち上げ、下回りをチェックしたがエンジンルーム以上に樹脂製パネルでオールカバーされているので実際はわからない。
いわゆる機械系で悪そうに見えるところは見当たらない。旧車とは精度レベルが圧倒的に違うので現代車なら当然かもしれないですね。
故障といえばセンサー類
現代の車の弱点と言えばこれです!
制御系が無数のセンサーで構成されていて、小さなセンサーひとつが故障するとピクリともしなくなる可能性があるということです。センサー情報は基本的にECU(メインコンピュータ)に送られるため、センサーの異常情報もデータログに残ります。
その情報は基本的にOBD2コネクタから専用のスキャンツールを接続して取得するこが可能です。
場所は▼運転席のひざ上にあり、ECUの情報を取得出来ます。
ベンツ専用診断ツールは機能は多いですが個人で持つには高額なので汎用のシステムスキャンツールなら安くて多くの適合車種があるので便利です。むしろコレがあればセンサー故障の際はセンサーを入手してDIYで修理も可能ということですね。
超簡単な燃料ライン洗浄がオススメ
CLA180は直噴ターボですから、シリンダーに直接高圧の燃料を噴射しています。火炎の中のためカーボン汚れは当然です。そこでオススメしたいのはPEA系の洗浄剤です。有名なのはワコーケミカルのフューエルワンです。
もっとPEA濃度の高いPEA洗浄剤もありますが扱いが難しいので、まずはワコーズのフューエルワン(F-1)から試してみると良いです。
燃料満タン時に1本入れるだけです。給油ランプがつくまで1タンク走行すれば効果が出始めるでしょう。2~3本繰り返すと良いとのことですがPEAの影響でオイルがサラサラになってしまうので欲を出し過ぎないほうが良いです。洗浄が一通り終わったら早めにエンジンオイルとオイルフィルターを交換してください。
まとめ
中古車ディーラーが薦める保証付き整備は結構トラブルが多いことを聞いています。もちろん誠実にやっているところもありますが、最高の安心を求めるなら正規ディーラー認定中古車などを選択することをオススメしたい。もちろん編集部のようにDIYで整備できる人ならどこでも問題無いでしょう。
そんな整備には、OBD2の故障診断スキャンツールが必要です。そして直噴エンジンの中古車なら誰でも簡単にできるメンテナンスのPEA洗浄剤を一回くらい試してみることをオススメします。
さて、いよいよCLAのDIYメンテナンスを開始しますよ!お楽しみに!
カーマニアック編集部@KUBOHでした!
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