《カーマニアック》サーモスタットとラジエーターキャップは消耗品!定期的に交換が必要

水温異常 簡単メンテナンスカーマニア
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前回の▶オーバーヒートとオーバークールの記事で出てきたサーモスタット交換とラジエーターキャップの交換をやってみたいと思います。

カーマニアック編集部の車両は、ある時オーバーヒートを経験して、その後からオーバークールに陥りました。そうですキャップとサーモスタットの両方が立て続けに壊れたということなんです。実はどちらも5年以上交換してませんでした~!!今回はその交換についてお伝えします。

 

サーモスタットの交換

サーモスタットとは

冷却水がエンジンの熱を吸収してラジエーターで冷やして再度エンジンを冷やす。この冷却水をラジエーターに送るかどうかを決めるのがサーモスタット弁です。

サーモスタット

ラジエーターの性能が良い場合はサーモスタットの開弁温度を高くしてもあっという間に下げられるので、88度~90度などピンポイントの温度管理が可能です。

日本製のサーモスタットに交換 88度と高温だがラジエーターが良いとこれがいい

水温は低ければ良い訳じゃありませんので無闇に低温サーモスタットにするのはNGです。コンピューター制御の現代車なら尚更に重要です。温度センサーによって細かく管理され燃調や点火タイミングのマップが変更されてしまうので良くありません。このさりげないMADE IN JAPANがいいですね。見えない部品だけに日本製がいい。安心感が違うと思うのは編集部だけではないでしょう。

現代車はセンサーの故障など、コンピューター(ECU)へのデータがすべてですから、小さなセンサー一つが壊れると突然死してしまう場合があるんです。

故障したサーモスタット

故障車は走行中の水温が70度より上がりませんでした。実験で撮影した▼の映像がサーモが開いた状態です。ずっとこのままの状態になっていました!

サーモスタット動作実験、低温でも開いてしまう事がわかった

恥ずかしい話ですが、こんな状態を数年放置していました。これでは燃調だって合うはずもありませんから不完全燃焼でHC増加にも繋がり有毒なブローバイを多く発生させます。車検でHCが多めに出ていたいのはこの影響かもしれません。

サーモスタットの動作テスト

写真のとおり実験したところ67度で開弁して58度で閉まるという典型的な経年劣化の故障でした。車載の温度計は中々正確ってことだなぁ・・・と納得の笑み(^^)

 

サーモスタットを82度から88度に交換する

新たにローバーミニ用として販売されている日本製のサーモ(左)と比較すると弁の大きさやスプリングの太さなどが違います。82度から88度へ交換します。多分15年以上使っていたと思われます。ガスケットが炭化してエンジンに固着してました。

イギリス製と日本製のサーモスタットの比較、作りが大きく違う

メンテ対象のケントエンジンは水回りのメンテがしやすくボルト2本外すだけで交換可能です。車両によっては面倒な場所についていることがありますから早めに場所だけは確認しておいた方がいいでしょう。こんな簡単なのに交換しない人もいますが・・・(汗)

サーモスタット交換方法はガスケットを作成して液体ガスケットを塗る

古いガスケットをスクレーパーで剥がして新たに汎用ガスケットシートを切って作成しました。液体ガスケットを塗って閉めて少量のクーラントを足しておしまいです。水温計がしっかり上がって走行しても動きません。とてもいい状態になりました。



ラジエーターキャップ交換

ラジエーターキャップとは

現在の車のラジエーターキャップはかなり小さいものになりましたが、古い車は外形が60mmと大きなタイプがあります。日本車にも同じ大きさを使っていた時代もあったのですが既に流通が殆どありません。▼こちらはUK製です。

イギリス製のラジエーターキャップは旧車ににあう

ケントエンジンは英国では最も一般的でローバーミニやロータスヨーロッパなどと同じなのでUKから取り寄せたり国内のMINI専門店などに在庫があります。表示はポンド表示(UKらしい気取った感じが嫌い)で15LBと書かれていますが、いわゆるpsiで約1kg/cm2の事です。この場合大気圧に加えて1気圧追加、つまり2気圧ですから120度くらいまで沸騰しないということです。

 

ラジエーターキャップの交換時期

キャップから漏れたら迷わず即交換ですが、通常はシールガスケットが写真ように凹んでしまっている様子なら交換時期です。こうなるといつ漏れてもおかしくないです。

ラジエーターキャップの交換時期はゴムの劣化を見ること

サーモスタットのように熱による開弁はないのでスプリングとガスケットの劣化が交換タイミングとなります。主にこのゴム素材の劣化です。

ラジエーターキャップを0.9kg/cm2から1.0kg/cm2に交換する

ラジエーターキャップを交換するときはクーラントを補水してから

交換といっても押しながら回せば終わりですが、このエンジンの場合はエンジン側のキャップの受け側がザラザラとアルミ鋳造面が荒れている場合があります。結構この鋳造のままの表面って厄介なんですよね。キャブレターも同様、漏れの原因になるんです。

ラジエーターキャップの受け側を平らにしてからの方が漏れがなくていい

800番ほどのペーパーで軽く慣らしてから交換しています。オイルストーンを使うほどではありませんが、▲の写真くらい平面をだしておけばいいでしょう。

シールガスケットのゴムが馴染むので、交換したらやたら開けないほうがいいです。その後から漏れ始めることが多いんです。


あとがき

現代車の場合は温度センサーで電動ウォーターポンプ(EWP)による制御がありますがエンジンの出力損失を考えれば理にかなっています。しかしながら、純メカニカル的な仕組みはとても単純でトラブル対応が簡単なのがいいです。センサー類に頼り始めるとトラブルシューティングが難しく突然死があるので嫌いです。

ちょっとDIYでメンテしてみようかなって思ってもらえれば幸いです。

予報は晴れのち快晴です。カーマニアック編集部@サニーでした。

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