はじめに:旧車に乗るのは楽しいけど…
旧車って、見た目も雰囲気も最高ですよね。
でも夏だけは…もう地獄。エアコンなし or ほぼ効かない状態で渋滞にハマった日には、汗だくで「修行かな?」って思うほどです。
「せっかく大好きな旧車なのに、快適に乗れないなんてもったいない!」
そんな気持ちから始めたのが、電動エアコン(実際はクーラー)を自作で載せてみよう計画です。
今回は、1973年式のロータスヨーロッパ・スペシャルに新郷ガレージで実装していきましょう。
旧車にエアコンってハードル高い
旧車オーナーならご存じの通り、冬はヒーターがあるけど夏はエアコンがない。ただ後付けエアコンの設置はなかなか厄介です。
- 純正部品は手に入らない
- コンプレッサーをエンジンで回すと負担が大きい
- 狭いエンジンルームにどうやって収めるの?
普通なら「諦めるしかない」ってなるところですが、最近は奇しくもEVの普及により電動コンプレッサーが出回ってきたので「これならいけるかも?」と思ったわけです。
電動エアコンを選んだワケ

選んだ理由はシンプルで、メリットが大きかったからです。
- エンジンに対して負担が少ない
- 現代のパーツを流用できる
- 制御も自由度が高く、DIYのしがいがある
旧車の雰囲気はそのままに、現代の快適さをプラスできる。まさに「いいとこ取り」じゃないか!って思いました。
作業スタート!試行錯誤の連続…
設計編
まずはネットで入手した12Vの電動コンプレッサーをベースに構想。
バッテリー容量やオルタネーターの負担を計算しつつ、配管レイアウトをノートにカキカキ…。
そして実際に主要パーツのエバポレーター、コンプレッサ、コンデンサ、リキッドタンク、インバーターを借り設置していく。

コンプレッサをモーターで駆動するインバーター制御にが入り起動時は60Aくらい負荷が掛かることがありますので、オルタネータ発電容量は80A~100Aくらいないと不安なので今回は130Aの低抵抗タイプをチョイスします。

それから、配線も60A程度は対応していないと危険なので、こちらも余裕をみて8SQケーブルを80Aインラインヒューズを介してバッテリーから新規で配線します。なにより安全設計です

実装編
旧車の室内は当時のままのイメージを保つため吹出し口も操作パネルも見せません!

- エバポレーターをフロントラゲッジに入れらるので吊下げ式でないものをチョイス
- 電源系統はヒューズをかませて安全第一、BATT直なのでメインスイッチも設けました
- センター肘掛にコントロールパネルを設置し温度センサーを室内に仕込みます
- 冷媒ガス配管は油圧圧着工具でしっかり施工します
- ポンプにオイルが入っているので真空引きしてR134を3本入れればOKです





トラブル編
一発成功!とはいかなかった、エバポレーターのエキスパンションバルブの取り付けが甘くてガス漏れしてしまいました…。

真空引きしてしばらく針が動かないことを確認したものの1週間で抜けてしまい、気を取り直してR134を3本入れてEV専用の蛍光塗料入りガス漏れ予防も施工しました。※EV専用じゃないと壊れます。

ついに完成!冷えっぷりは?
初めて冷気が吹き出した瞬間は感動モノでした。

- 外気温:34℃
- 吹き出し口:14℃
- 消費電流:35A前後
停車中でも十分に冷えて、真夏の渋滞でも汗をかかなくなったのは本当に快適。もう「修行ドライブ」とはおさらばです。
まとめ:旧車はまだまだ進化できる
旧車の魅力は「不便さも含めて楽しむ」ってところにあると思います。
でもちょっと工夫すれば、快適さと楽しさを両立して夏でも楽しむことができるんですよね。
今回の電動エアコン自作は、手間もかかったけど達成感はそれ以上。
もっと楽しみたいと思います。
おまけ:気になる費用と難易度
- 電動コンプレッサー汎用キット:8万円(冷却水を取り込む暖房付きもある)
- 配管工具・冷媒・電装パーツ:5万円
- オルタネータ強化:5万円
その他にも必要な工具は、電工ペンチ・トルクレンチ・真空ポンプあたりが必須です。
難易度的には「DIY中級者向け」くらいかなと。
これでようやく、真夏でも快適に旧車を楽しめる環境が整いました。
「旧車は好きだけど暑さが辛い…」という方、電動エアコンは新しい選択肢になるかもしれませんよ!
新郷ベース編集部☆マッシュ山本
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