《カーマニア》低抵抗プラグコードと低抵抗コイルの選び方~「良い点火をつくる編 Vol.2」

良い点火 低抵抗コード・コイルとは Singo BASE
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澄んだ空に白い雲・・・良い混合気に良い点火・・・うん、似てる・・・

プラグをイリジウムに換えるとプラグコードも換えてみたくなる。コイルも・・・CDIも・・・なんて事になるわけです。

まっ、カーマニアック編集部では最終的には全てやってみる訳です。

一度に全部やってしまうのが良いのですが、どこを換えるとどうなるのかとか分からなくなってしまうので、細切れにやっていくのが知識向上のためには良いことと思っております。

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プラグ~コードの抵抗とは

抵抗がない方が電流の流れが良いことは誰でも想像がつくことですよね。コイルで作られた数万ボルトの高電圧を一気にプラグに押し込んでやりたいじゃないですか。

でもプラグにも通常は抵抗が入っていて、プラグコード・ハイテンションコードにも抵抗が入っています。

低抵抗プラグコードを制作

今でもプラグには抵抗の入っていないタイプがあります。旧車は抵抗無しが標準指定の場合が多く当車両でも抵抗無しのプラグを使っています。番手は5~6です。

しかしながらコードは抵抗無しの物は通常販売されていません。理由は点火ノイズが周囲に電波として発信してしまうことを防ぐためなんですね。

最近は減りましたが昔はバイクが通るとラジオにジリジリジリとノイズが入ったものです。とくにハイテンションコードはアンテナのような役目で周囲に電波を放出してしまいます。

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低抵抗プラグコード

NGKをはじめいくつかのメーカーがプラグコードを販売していますが、低抵抗コードと呼ばれる高価なコードが存在します。

点火ノイズ対策は重要ですし抵抗を入れれば対策にはなりますが、強力な点火スパークを発生させるにはどうしても邪魔な存在です。一般的なプラグコードの抵抗は1mあたり16kΩ程なのですが1kΩほどまで低減させながらノイズも制御しているという製品が低抵抗コードとして販売されています。

国産で人気の▼永井電子製ULTRA BLUE POINTなどは低抵抗でありながら各気筒ごとに長さの違うコードの抵抗値をすべて合わせるなど日本ならではの拘り商品です。

低抵抗のプラグコード ULTRA BLUE POINT

また海外ですと米国MSDのスーパーコンダクタコードは1mあたり164Ωと桁違いの低抵抗でありながらノイズ除去の性能も備えています。

抵抗を揃えるか、圧倒的な低抵抗に拘るか、このあたりはお国柄と言えるかもしれません。V8用のセットを買うと4気筒なら2台分制作できます。

低抵抗のコイル

実はとても難しいのはコイルの選択です。ポイントやフルトラなどのイグナイターを使っている場合、3Ω以下の1次コイル抵抗のコイルを使うとポイントの焼損やイグナイナイターの故障を招く恐れがあるんです。※実際に2度も経験済みです。

イグナイター入のデスビ
円筒コイル

もともとポイントデスビの車両の場合は▲のような円筒コイル(開磁コイル)で3Ωの物が多いのですが、低抵抗コイルが「ハイパワーコイル」と宣伝しているため、知らずにそのまま取り付けてしまうと壊してしまう恐れがあるんです。

低抵抗コイル

▲それらのコイルはCDI用に作られたものがほとんどですから、外部セメント抵抗を付けて3ΩにするかCDIを導入する必要があります。また特性的にも様々で1次抵抗値にインダクタンス値、二次抵抗値にコイル巻数などによって好みに分かれるところです。容量が大きければ反応が遅くなるし、どれが一番いいと言えるものでもありません。
参考記事▶CDIで強力スパーク

▲の円筒コイルは旧車に似合いますがオイル式ですからセッティング次第ですが熱によるパンクが怖いです。※経験済みです。
▼のような閉磁コイルなら耐性が強いので安心感があります。抵抗を入れて使うのもありです。CDIを追加導入したら抵抗を外せばフルスペックで使えます。


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実際に低抵抗コードを作ってみる

今回はMSDのスーパーコンダクタコードを使ってハイテンションコードを作成します。

MSDのスーパーコンダクタコード

8.5mmと非常に太いので(10mm以上のものもある)制作はちょっと大変です。
中心に黒い線がありますがこれは銅線が密着するほどに巻いて作られていて、その上にカーボン樹脂が塗り込まれていて高額商品と言われても仕方ないと思える製品です。この被膜の厚さは高電圧対策とノイズ除去のためです。

NGKコードの端子を分解

今回はハイテンションコードだけを作りますが、両端子はNGKのハイテンションコードを分解して引っ張り出してきたものを流用します。黒い芯線を折り曲げてケーブルごと挟み込んで圧着工具で締め付けます。

約50cmのMSDのコードの抵抗を測ると91Ωしかありません!スペック通りです。

MSD コンダクタケーブルの抵抗を測定

せっかくなので他のコードと比較してみましょう。

30cmと少し短いNGKの低抵抗コードで286Ω。短いのに・・・

NGKのプラグコードの抵抗を測定

50cmのULTRA BLUE POINTコードで197Ω!これでもMSDの2倍の抵抗値です。

Ultra blue pointのプラグコードの抵抗を測定

低抵抗にすることは大変なことじゃないんです。ただの電線だけにすれば抵抗はゼロに等しいので・・・
このコードがどれだけ凄いかというのはしっかりしたノイズ特性にあります。これだけ低抵抗でありながらも外部へ漏らさないように考慮されているので、ちょっとレベルが違う感じです。

あとがき

おすすめは、最終的にCDIを導入することを前提に考えてバージョンアップに耐えられれる構成にしていくことが良いと思います。

コードは国産に拘るならULTRA BLUE POINTかもしれませんが、絶対的な抵抗値を考えるとMSDのコードがベストです。またコイルは閉磁式で外部抵抗付きならCDIにした時に抵抗を外して対応可能ですし、閉磁コイルは長持ちししてCDIとの相性もいいです。

という事で、次回は最終段階のCDI導入まで進んでいきましょう。

予報は晴れのち快晴です。カーマニアック編集部@サニーでした。

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