最近っての自分でメンテナンスなんてしませんが、やってみると案外面白いんです。
カーマニアック編集部です。
思い付きで書き始めた記事にしては長い話になってしまいました。いまは車のメンテナンスを自分でやる人なんかいないでしょう。
しかも今回のお題はマニュアルミッションのオーバーホール!?
・・・我ながら笑えます。※しかもあまりに長編すぎて3部作に分けました。
DIYファンにとってはヘビーメンテナンスで使われる特殊工具などが通販で簡単に手に入る時代で、使い方が分かると楽しいし便利なモノばかり。
オイル交換くらいやってみようかなって思ってもらえれば、嬉しいです!
私はよく本職が自動車整備士だと間違えられます。それほど長年DIYで作業し続けています。その変態的な作業をひとつピックアップしてお話ししますが、DIYに興味がある人は参考にしてください。興味の無い人も変態っぷりをお楽しみください。
マニュアルミッションのDIY修理
これまで無数の整備の中からエンジン整備にしょうか、足回りにしようか、電気回りにしようか、等々迷いました。そんなこと考えてると…このご時世だよ、そもそもさぁ、自分で自動車整備するヤツなんて皆無じゃね~?とケロロ風の声が・・・www
気づきました。。気づくだけ案外ノーマルかもね。
「気づいちゃったよ! こんな記事書くの止めよう…」・・・むしろ変態回路が結合!
「マニュアルミッションの整備にしょう!」・・・って、誰が見るんだよソレ。
最近マニュアルのクルマって減っていますよね。というか免許はマニュアルで取ったけど、結局オートマしか運転して事が無い人だって大勢いると思います。そもそもマニュアル売ってないし。
1970年~90年頃まではオートマが少数派で今ではマニュアル設定すら無い車種ばかり。
売れないものは作らない合理的な世界( *´艸`)
かつてオートマはオイルで駆動力を伝達するため機構がスポーツ走行に向いていないとされましたが、今では日本が誇るスーパーカー、ニッサンGTRでさえマニュアルミッションが無くなってしまったし、世界最高峰のF-1だって同じです。
趣味性でマニュアル操作が好きというマニアックな人向けです。
またはクラシックカーなど古いクルマを好む人が乗っているというところでしょうか。
横置きミッションをオーバーホールしてみる
さて、編集部サニーのクルマは全てマニュアルです。理由は好きなクルマが古い車しかない事とジムカーナ競技をやっているからです。ちょっと変態ですね💛
これまでのDIY記録をあらためて備忘録として残しながらシンプルなミッションを分解していきたいと思います。
DIY記録はジムカーナ用の2台の車両で2年間に合計6回を超えるミッション着脱作業したものを紹介しますが、横置きのFF車とMRのミッションになります。
FFとMRは同じ横置きで同じ構造なので参考になります。
作業車両の紹介
1998年HONDAインテグラTypeR 98スペック
競技の世界でも未だに一流の速さを見せる伝説的な名車です。当時はF-1が大人気でHONDA人気を支えていました。自然吸気(NA)でそのF-1のピストン速度を上回る速さで回転するエンジンは正にレーシングエンジンそのものでした。
そのパワーを路面に伝達するミッションはFFという作りゆえに変速ギアとデファレンシャルを一緒にケーシングされてるため熱に関しては過酷な状態となります。
2007年LOTUS EXIGE ロータス エキシージ
次はロータスのエキシージです。エンジンはトヨタの2ZZで数値上のスペックはインテグラと同等ですが、高回転が明らかに頭打ちでTypeRのB18Cエンジンように軽快には回りません。ただ逆にミッションの作りは二分割にするケースを採用するなど剛性がとても高くHONDAの比ではありませんでした。こちらは機械式デフを装着するのとクラッチ交換するために二度ほどミッション開腹しております。
ミッションオーバーホール開始
図は1998年の98スペックと言われるインテグラタイプRのミッションの中身です。
B18Cという型式のエンジンは通常と逆に回転するためミッションの位置も左右で逆になる大変珍しい形状をしています。
車体持ち上げ
ミッションを車体から外すことになりますが、通常は下から降ろします。
油圧ジャッキ(フロアジャッキ)などで持ち上げてミッションオイルを抜きます。
これは真似てはいけません!リジッドラック(馬)を使いましょう!
リジットラックを使わず潜って油圧ジャッキが滑って車体が落ちてきたことがありましたー! それは経験しないと恐ろしさは分かりませーん!
整備は安全第です。エンジンオイル交換でも気を付けてね
このように、ちゃんとリジッドラック(馬)を使って固定しましょう。 車体を持ち上げたら必ずリジッドラックを使って支えてください。支える場所はサスペンションアームの付け根部分や一般的なジャッキポイントなどです。間違ってもオイルパンやガソリンタンクの下に置いてはいけません!
油圧ジャッキは突然下がってきたり滑って落ちたりしますので、リアやフロントを持ち上げたら出来るだけ左右均等にリジッドラックで支えましょう。
車体から余計なものを外す
FFもMRも同じく横置きエンジンのためドライブシャフト、サスペンションアームなどが邪魔になりそうなものを外します。
ちなみにFRの場合は縦に設置されているため比較的簡単に取り外すことが出来ます。この辺りまで必要な工具はボックスレンチ(ソケットレンチ)とメガネレンチですが、高級ブランドまではいかないまでも見た目の美しさと頑丈さもありハンド工具としてはかなりコスパの優れたSK11がいいと思います。とくにTS-2465Mのセットは私も15年以上使っていますが、一つも壊れることなく現役です。あとアングルドライバーは疲れてくると助かりますよ。
タイヤ、ブレーキ、ドライブシャフト、サスペンションアームなどを外しました。こうすることでミッションが見えてきます。あとはエンジンとの連結ボルトだけで外れそうですが、そうはいきません。
エンジンを傾けてからミッションを降ろす
エンジンをミッション側に傾けないと引き抜くことが出来ません。 写真はエキシージのミッションを降ろす際のエンジンの傾きです。 油圧式のフロアジャッキなどを使って干渉しないように降ろすのがポイントです。
このように、ミッションだけ降ろす場合は、エンジンマウントを片側外して斜めに下げることで簡単にエンジンから切り離すことが出来ます。エンジンマウントは(ミッションマウント共通)3つ~5つ程度でシャーシーに写真のようなラバーブッシュで取り付けられていると思いますので、ミッション側だけ外せばエンジンとミッションはかなりフリーになります。活躍するのはここでもミッションジャッキです。
出来ればミッション専用ジャッキを使って一度持ち上げ斜めに降ろしていきます。
そうすると、ミッションはこのように手に届くところまで降りてきますのでエンジンにと接続されている10本くらいあるボルト&ナットを外して出来るだけ真っすぐに引き抜きます。
このあたりから、ボックスレンチでは厳しい事もあるのでインパクトレンチがあると大変便利です。でも半端なインパクトレンチでは用を足さないので、最低限ホイールナットが軽く緩められるくらいのトルク500Nm(ニュートンメーター)以上の電動インパクトレンチを使ってください。100Nmあたりのもモノじゃ話になりません。
車体からミッションを引き抜く
ミッションを引きずり降ろしてみるとこのような状態です。外してみると小さいものです。私サニーの場合はフロアジャッキで持ち上げながら身体で受け止めますが、お薦めしません。。
ミッションジャッキを使えばキャスター付きなので安全で楽に作業できます。
クラッチハウジングだけがケースの外にありクラッチ板の擦れたダスト汚れが詰まっています。これはまだまだ綺麗な方です。
ここまでがミッションを降ろすまででした。
第一巻あとがき
ここで小休止です。読むほうも疲れちゃいますよね (笑)
この後はいよいよミッションを分解していきます。分解ファン・分解マニア・分解オタクにもたまらないトランスミッションの中身とはどうなっているのでしょうか。
中身を見たいと思ったら貴方も既にマニア・フリークです。
予報は晴れのち快晴です。カーマニアック編集部サニー@でした。
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