カーマニアック編集部です。
ロードサービス利用ナンバーワンは今でもバッテリー上がりなんです!知ってました?
バッテリーの劣化は徐々に進行しますが、いつまで持つのかは神のみぞ知る。と、それでは困るわけで前回は自分でできるバッテリー診断について詳しく説明させてもらいました。
そして!いよいよバッテリーの寿命を延ばすという~神をも恐れぬ愚行~に走ってまいります。
いえいえ…そんな… 勢いで言ってみただけで、たいそうなもんじゃありませんが…
実験に参加してもらった被験者のバッテリーさんは、44B19Lと超一般的なサイズで、5年以上活躍しセルモーターの回り方が弱々しい。CCA測定値がいよいよ1/3で300が100になったご臨終間際の鉛バッテリーのAさんです。
本来なら「お前はもう死んでいる」バッテリーを科学の力で延命にチェレンジしてみま~す!
なんかステキ~!
いつもながらバカらしい企画を真面目にやるのがカーマニアック編集部です!
劣化したバッテリーを詳しく検証
前回の記事CCAテスターでバッテリー診断したところCCA値が基準の300からなんと100まで落ちてしまった古いバッテリーを詳しく検証します。通常は基準値の70%以下が交換の目安です。
CCAとは「コールド・クランキング・アンペア」の略で、エンジンの始動性を数値化したものです。大型バッテリーほど数値が大きくなりセルモーターを稼働させる力を示すもので大排気量になると大きいバッテリーを使うのはこのためなのです。
メンテナンスフリーバッテリーを分解
補水キャップの無く中身が見えないメンテナンスフリーバッテリーですが、今回は実験という事で、こじ開けて中身を検証します。※真似してもいいですが自己責任でお願いします
このように蓋をあけると迷路のような通路になっており、蒸発した水分が大気に放出されず通路を通りながら元に戻る仕組みなのですね。
しかし、上から目視しただけでも電解液が減っています。メンテナンスフリーとは言え全く減らない訳じゃないんです。比重計で計測すると良好のようですが、減っていて良好という事は減った電解液に対してサルフェーションが発生して濃度が安定していると推測されます。
バッテリー液を補充してみる
減っているセルに少量の精製水を補水しておきます。バッテリー復活!を謳い化学反応を誘発する「薬品類」を電解液の中に入れるようなことはしません。通電を良くするカーボン入り補水液などは良いと思います。
あらためてCCA診断してみる
あらためてCCAバッテリーテスターで測定すると、電圧13.14V、抵抗29.92mΩ、CCA値は、なんと103程度しかありません! 基準CCAは310なのでかなり深刻ですね。
関連記事▶CCAテスターについて
サルフェーション除去を開始
パルス充電器のリペアモードを使ってみる
今回はサルフェーションの除去に特化して実験するのですが、普段使いも考えて8A充電が出来るチャージャーを用意しました。
※ここの記事でバカ売れで完売したようですが、再入荷したようです。
▼再入荷したようですよ!お早めに!
バカ売れのパルス充電器
▼こちらが同等性能の6Vにも対応した新型チャージャーでオススメします。
24Vには対応していませんのでご注意ください。
フルオートなのでモードの切り替え用にタッチセンサーボタンが一つあるだけです。先にバッテリー端子に接続すると12Vと24Vが自動で設定され▼バッテリー電圧が表示されます。
パルス充電を24時間実施する
マニュアルではリペアモード(パルス充電)は18時間行うように書いてありますが、仕事の都合上24時間実施します。リペアモードにすると▼画面はPUL(パルス)になり、内蔵冷却ファンが連続で回ります。良好なバッテリーでテストしてみたところ自動ストップが機能しました。
サルフェーション除去中
▼パルス充電中の動画です。電解液がブクブクと泡を立て始めました。通常の充電時よりしっかりと反応していますね。
サルフェーション除去の結果
バッテリーを見事に回復させてみせた
完全に除去されていると自動停止するようなのですが、劣化が激しいのか止まりませんでしたので、自分で終了しました。
そして、期待のCCA測定をしてみると、300を超えています! 抵抗値もかなり減っています!
新品の値まであと少し!いやこれでも立派です。100CCAだったんですからね。
しかし、翌朝に事件が発生!!
約12時間後の翌朝にCCA測定してみると、なんと313.9CCAまで復活してました!
抵抗値まで下がっています。新品値を超えた?これは凄いです!
実はサルフェーション除去中のパルス特性をオシロスコープで測定する予定でしたが計測器の調子が悪くて出来ませんでした。しかしパルス中のバッテリー電圧は16Vとなっており高電圧をかけている事が分かりました。
あとがき
どうですか。すでに終わったはずのバッテリーが見事に復活してしまいました。正直ここまでうまくいくとは想定外でしたが、鉛電極板自体の傷みがなければサルフェーションの結晶を取り除いて電解液の硫酸に戻せれば、かなり好転するようですね。※実験から3ヶ月後も良好な状態なので延命に成功と言えるでしょう。
ダメ元で効果あれば簡単でお得
今回のパルス充電機でダメなら別の物をテストする予定でしたが、一回で成功して良かったです。という事でサルフェーション除去とCCA診断はセットで使うのがベストのようですね。極端に劣化が進む前に普段からサルフェーション除去をするのが良いと思われますから、編集部の車は半年に一回くらいはパルス充電するようにしていこうと思います。
予報は晴れのち快晴です。カーマニアック編集部でした。
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