カーマニアック編集部です。
車検の時期が近づくとソワソワするのは旧車乗りの宿命でしょうか。特にキャブ車の難関と言えば排ガス検査・・・ちょっぴり怖いです。
昭和48年以降の排気ガス規制によって触媒の装着が義務付けられるなど希薄燃焼が苦手のキャブ車にとって厳しい環境になりました。それでも平成12年の排気ガス規制以降でなければ、キャブと点火時期の調整で規制値以下に処置することは可能です。
今回は2連ウェーバーキャブのジネッタでユーザー車検にチャレンジしたのでレポートします。
ユーザー車検とは
それは、車の所有者が車検場に車両を持ち込んで検査を受ける事です。ディーラーや整備工場などに依頼する場合でも「指定工場」と「認定工場」があり「指定工場」は陸運支局の出先のような扱いなので全て完結しますが、「認定工場」は車検場へ持ち込みますのでユーザー車検と同じことをします。
ユーザー車検の場合の車検費用
規制緩和により12か月・24か月点検を受けていなくても車検を受けることができるようになりました。これを後整備といいますが、後整備を選択した場合にかかる費用としては自賠責保険と重量税と検査手数料だけです。しかし13年以上の旧車は重量税が倍ほどになっていますので所持金の準備にご注意ください。
自賠責保険(自家用のみ)
重量税(2年継続検査)
重量税については、自動車税同様に13年経過後の旧車にはとても重い課税がされているのがわかります。13年経過・18年経過の重量税がエコカーに還元されている訳です。古いものを大切にしてはいけない日本の税制度では車文化は育ちません。
車検場の検査予約
小型乗用車と軽自動車は車検場が違うのを知らない人が多いのですが、軽自動車は陸運支局ではなく軽自動車検査協会という別の組織なんです。おかしな話ですね。。
軽自動車検査予約システム
自動車検査インターネット予約システム
こちらで新規アカウントを発行して、予約をします。車検は期限の一か月前から受けることができますので、ユーザー車検だと早めがおすすめです。
検査内容の確認
車検場はライン工場のようになっており、ブロックに分かれて検査します。この内容と同じ検査をテスター工場(テスター屋)で3500円くらいで受けられます。光軸調整くらいはやってもらった方がいいでしょう。
書類確認:車検証と車体番号、申請書の内容確認
検査する車両と車体の整合性をチェックしてライト・ハザード・ウィンカー・ホーン・バックランプ・ウォッシャー・タイヤ溝・車高・排気音などをチェックします。
サイドスリップ:直進時の横滑り検査、トー角の確認
車体の直進性を確認します。「最近ハンドルが取られる」と感じたら多分コレです。
ブレーキ:前後フットブレーキ、サイドブレーキの確認
車検で最も重要視される項目「ブレーキ踏んでください」「サイドブレーキ引いてください」って言われるだけの試験ですが意外と・・・
サイドブレーキの効きが甘い車が多いのです。検査の時は全力でサイドレバーを引かないとNGになる可能性が高い項目なんです。
スピードメータ:速度表示と実際の速度の誤差確認
時速40キロの速度で回転させる機械の上でメーターの誤差を確認します。メーター読みで40キロになったらハイビームでパッシングして知らせます。
ホイール径を大きくした場合などにタイヤ外径が変わったりするとメーター表示が狂います。新品タイヤと減ったものでも同じことが起きます。
ヘッドライト:照射光軸と照度の確認
対向車にパッシングされるような光軸で走る車が多いですが、ほとんど整備不良です。バルブ交換すれば光軸もずれると思ったほうがいいでしょう。テスター屋で調整してもらいましょう。
車検場の近くには多くのテスター屋があります。事前にググって料金を確認したほうがいいです。車検場が始まる1時間前くらいから営業しています。
排気ガス:排気ガスの一酸化炭素COと炭化水素HCの濃度を測定
文字通りの排気ガス検査です。現代車は現場で調整できませんがキャブ車は調整が可能です。平成12年規制ではキャブ車では不可能な数値が示されました。
- 昭和48年排出ガス規制 CO 4.5% HC 1200ppm
- 平成12年排出ガス規制 CO 1% HC 300ppm
基本的にはこのような項目ですが、旧車の場合はヘッドレスト、シートベルト、触媒、排気音量、反射板、ブローバイ還元装置など様々な部分で検査クリアを阻む項目があります。
事前整備のポイント(車検対策)
テスター屋では光軸調整とトー角調整以外は検査だけですから、その他は自分で整備しておく必要があります。そこで一番のポイントはブレーキ回りです。ブレーキパッドの減り具合やサイドブレーキ調整、タイヤの状態はしっかりしておかないとNGの場合にその場で対処できませんから別の日に再検査になります。
COが多い場合は燃料を薄くしたり点火時期を早めたりします。HCが多い場合は点火時期を遅らせたり燃料を濃くしたりしますがHCが極端に高い場合は点火系が問題(失火)の場合もあるのでプラグ交換など早めに対処しましょう。
排気ガス検査はアイドリング時の検査だけですからアイドリングスクリュー・バタフライ・点火時期の調整で「希薄燃焼&完全燃焼」を目指してアイドリング調整することです。基本的にジェットを変える必要はありません。
あとがき
ここまででユーザー車検の準備編はおしまいです。続きはコチラ
準備する費用はジネッタだとテスター代入れても4.8万円くらいですから、普段から整備をしてあれば車検費用は格安です。重量税は上がっていきますが・・・
さていよいよ車検場に行って実際に検査を受けに行きましょう。
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予報は晴れのち快晴です。カーマニアック編集部@サニーでした。
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