《カーマニアック》WEBERウェーバーキャブレターのメンテ「汚れの洗浄と面取り」~良い混合気をつくる~

ウェーバーキャブのメンテナンス面取り Singo BASE
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日本にも古いものを大切にする自動車文化で子供たちに夢を与えられる大人でありたい。

こんにちは!Answer Stock 「晴れのち快晴」@サニーです

カーマニアックの第一弾は旧車にとって究極の精密メカの代名詞「キャブレター」を取り上げます。実際にトラブルでオーバーホールした際のリアルな内容から問題点など全4話にわたってご紹介していきます。

  1. 「洗浄と面取り」
  2. 「組立てと油面調整」
  3. 「アイドル調整と同調バランス調整」
  4. 「火災防止のおすすめ」


キャブレターは自動車文化の始まりから長い歴史があり世界中に様々なメーカーが存在しますが、イタリア発祥のWEBERウェーバー(現在はスペイン生産)のオーバーホールから抜粋して作業のポイントなど紹介します。細かな分解方法などはムック本などを参考にするとセッティング術も掲載されているのでためになります。

またYouTubeなどでも紹介されているので検索してみてください。動画を見た後の方が楽しく読めるかも知れません。WEBERパーツの調達先から展開図をもらいましたので掲示しておきます。

ウェーバー分解図

 

車のコンディションを左右するキャブレター

車の調子と言えば真っ先にエンジンですよね。そのエンジンにとって良い混合気と良い点火が基本です。現代車はセンサーで大気圧や気温から最適な燃料をコンピューター制御して燃焼しやすく霧吹きのように燃料が噴射してくれます。しかし旧車のほとんどがキャブレター仕様です。

キャブレターとインジェクション

形式は様々ながら基本的に自然と流れ出る燃料の通路の細さなどによって設定した量が「流れ出る」ものです。旧車で調子が悪い場合のほとんどがキャブレターの整備不良が原因であることが言えます。動かない訳じゃないが何か重たいとかギクシャクするとかエンジンが掛かりにくいなどアクセルから伝わるエンジン全般の不調の原因となっている場合が多いです。

キャブレター不調の原因が迷宮入り

旧車あるあるですが、キャブレターが原因の不調の中でジェッティング、同調、油面、燃圧などチューニング系で出来る事はやってみても改善しない場合があります。そうなると、いよいよ迷宮入りの可能性が高いです。。。キャブレターは整っていれば意外とあっさり調整できてしまうものだからです。
もし、しばらく乗っていなかったならガソリンが劣化している可能性がありますからPEA系の添加剤などを入れて空になるで動かして新鮮なガソリンを入れましょう。

しばらく乗らないのが確定しているならワコーズのフューエルワンなどPEAを主成分とした添加剤をガソリンタンクに入れておくとタンクの錆止めにもなるしガソリンがドロドロ化し難いのでお奨めです 。

 

それでも改善しないようなら、いよいよオーバーホールを検討しなくてはなりません。ただ4気筒の場合でツインキャブの場合はチューニングの際にどちらか一方が不調であったりWEBERのように2つのバレルうちどちらかのバレルが不調であったりしているはずです。

キャブレターとバレル

オーバーホールする前にターゲットを絞っておく必要があります。闇雲にオーバーホールすると更に迷宮から抜け出せなくなる可能性があります。

バランサーで吸気量を測定したり、ミクスチャー調整をしてる時に違和感があるバレルがあればチャックして記録しましょう。

 

キャブレター取り外し作業

それではオーバーホール作業を開始します。タイプは角ありスペイン製のDCOE151になります。今回は不安定なアイドリングと極端な燃費の悪化の原因究明とワニス汚れの撤去が目的です。私はマニホールドに本体が着いた状態で5つのボルトを外してトップカバーを開けるようにしています。

ウェーバーオーバーホール1

先ずはキャブレターの蓋を取りますがフロートと一緒に持ち上がってきますので引っかからないようにに慎重に取り外します。ジェットは普通のドライバーだとこの個体のようにジェットホルダーに溝を傷つけてしまいますので、ジェットドライバーを用意しておくことをお薦めします。

ウェーバーオーバーホール2

フロート室(チャンバー)の燃料をストロー付きのボトルで吸い取ってガソリンタンクに戻してからキャブレターをマニホールドから離脱させます。より安全性を考えて私のやり方です。

この時点で中にゴミや水分が沈殿してなければ1つの問題をクリアです。ガソリンが白濁などしてないかよくチェックしましょう。

ウェーバーオーバーホール3

問題があればタンクからキャブレターまでの通路も確認が必要です。この個体では補助キャブレター(一般のチョークと似た機能でスターターと呼ばれる)のプランジャースプリングが吹き飛んでいますが、バックファイヤーによるトラブルの痕跡です。この話はまた別途いたします。

ウェーバーリターンスプリングが折れた

それからスロットルプレート(バルブ)を戻すリターンスプリングが折れていました。アイドリングが高かったり低かったり不安定になっている原因は先ず間違いなくコレです。折れやすいスプリングなので良くあるトラブルです。これは強化品と呼ばれるものですが、やっぱり折れます。

リアルな体験ではスロットル全開中に折れて、その勢いでスロットルプレート(バタフライ)がキャブレター内で張り付いて戻らなくなりオーバーレブしました。慌ててキルスイッチで対処しましたが、それが影響してイグナイターがパンクして不動となりました。アクセルが戻らないのはとても恐ろしいです。 (大磯ロングビーチ湘南ジムカーナにて)

最強の洗浄力で汚れを根こそぎ落とす

燃料を全て吸い取ったらキャブレターを降ろします。ボルト4本で留まっているだけなので簡単です。本来はインチ工具を使うのですが、私はミリ工具の奇数(11、13、15)を使う事が多いです。ちなみにこの個体はトップカバーもボトムカバーもガスケットから燃料が常ににじみ出ていたためドロドロでベトベトでかなり汚く状態の悪いキャブレターです。

ウェーバーオーバーホール4

キャブレターを取り外したらパーツを外せるだけ外します。ただし100点以上のパーツがあるのでオーバーホールの目的に沿って外すかどうか決めます。


ウェーバーオーバーホール 分解

フルオーバーホールであればすべて外しますが、その場合スロットルプレート(バタフライ)の位置決めなど精度にシビアなところがあるので不調の原因でなくスルスルとスロットルシャフトが回るようならベアリングのグリスアップに留めておく方が賢明です。

 

ワコーズのガスケットリムーバーと言う薬品を使ってキャブレター外側とフロート室など燃料がワニス化したベトベト汚れを一掃します。化学反応していますので凄まじい危険な匂いがしますので室内では絶対やめた方がいいです。だた過去の経験からこれが一番効果があり諦めていた汚れも擦らずに綺麗になります。これは超!オススメです。

ウェーバーオーバーホール洗浄

WEBERはスペイン生産からパーツの精度が悪い

もともとイタリア発祥のWEBERですが、すでにスペイン製品になって久しく生産精度の低さが知られています。この完成度の低さがCarManiac(エンスージャスト)にとって可愛くて仕方がないところ(笑) しかしこれは・・・(-_-;)

ウェーバーオーバーホール面取り

見ての通りパーツの面はベルトサンダーでも使ったのかと思われる雑な作業がされています。これでも少し磨きを入れた後です。ここまでくるとガスケットの隙間を燃料が通り抜けてどんどん漏れてきます。これが原因で外側に燃料が染み出してベトベトのワニスだらけになっていたのです。

ウェーバーオーバーホール面取り2

これらをオイルストーンなどを使って一つ一つ最小限の磨きで平らにしていきます。ダイキャストは柔らかいので研磨しやすいです。鋳造精度も悪いので削っても中に巣がありますから完璧を求めてはいけません。燃料が染み出さなければいいのでやり過ぎに注意が必要です。

あとがき

横Gに強くジェッティングのアレンジが非常に細かいレーシング向けに重宝されるWEBERキャブレターですが、弱点もあります。現在のスペイン生産では精度も悪いものがあるので、手を掛けてあげなくてはなりません。でもセッティングも決まり絶好調の時は力強い吸気音に酔いしれます。

GinettaG4

ひとたび不調の場合は何かしらトラブルを抱えていますからトラブル連鎖する前に原因を絞ってから、そっと蓋を開けてるといいでしょう。

それでは次回は組み立てと油面の調整です。

予報は晴れのち快晴です! サニー@でした。

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